疲労骨折について
春になり新たに運動を始められた学生さんや社会人の皆さんの中になかなか引かない骨の痛みを感じている人はいないでしょうか。もしかしたら疲労骨折を起こしているかもしれません。疲労骨折とは普段よくみる外傷による骨折とは異なり、骨の同じ場所に繰り返し加わる小さな外力によって骨が損傷され骨折となった状態をいいます。一般的には走りすぎによるランナーに特徴的と考えられがちですが、ジャンプ、投球動作、バッティング、スイングなどの動作のやりすぎでも起こります。したがって疲労骨折は骨盤や四肢だけでなく身体のいたる所で発症する可能性があります。
疲労骨折の診断方法
もし何らかの運動をやっていて明らかな外傷がないにもかかわらず、局所の痛みや腫れや運動時の痛みがある場合、疲労骨折を疑う必要があります。診断にはまず単純レントゲン写真を撮影しますが、発症がまだ起こり始めですと骨折がわからない場合があり、その時は経過をみて数週間後に再度レントゲン写真を撮影するか、超音波検査や MRI 検査にて確認します。
疲労骨折の治療と早期診断の重要性
治療としては痛みが誘発されるスポーツ動作を完全中止にして局所を安静にすることで治っていきますが、発症部位によっては難治性となり手術が必要となる場合がありますので、出来るだけ早期に診断をつけて治療を開始する必要があります。早期診断によって治療が軽くすむ場合がありますので、もし少しでも気になる運動時の痛みが続いているようでしたら早めに相談してください。
(ウイークリーえひめリック2018 5.3 号より転載、一部加筆修正)