単純性股関節炎について
単純性股関節炎について
単純性股関節炎は、外来でよく遭遇する小児の股関節痛の代表的な疾患です。原因として外傷、感染、アレルギーなどが考えられますが、詳しい原因はまだ明確ではありません。好発年齢は幼児期から学童期にかけてで、平均発症年齢は 6〜7 歳、男児に多い傾向があります。季節的には秋から冬にかけて発症が多いです。
症状
症状は股関節痛で、激しい運動後(マラソンや運動会など)に痛みが出始めることがあります。症状が重い場合は、歩行困難になることもあります。また、股関節ではなく膝関節の痛みで来院することもあり、注意が必要です。
診断方法
検査としてはレントゲンやエコーを行います。レントゲンでは異常が見られない場合もありますが、関節液の貯留が著しい場合は関節の隙間が広がっていることがあります。エコーでは健側と比較して関節液の貯留が確認されます。
治療方法と考慮すべき他疾患
治療は軽症の場合、外遊びを禁止して安静にすることで症状が軽快することがあります。痛みが強く歩行困難な場合は、入院してベッド上での牽引が必要になることがあります。通常は約 2 週間で股関節の痛みは消失することがほとんどですが、それ以上続く場合は、ペルテス病や大腿骨頭すべり症など他の疾患の可能性を考慮する必要があります。
子供の股関節痛でお困りの方は、ぜひご相談ください。